知っておきたい外壁塗料の種類!特徴からデメリットまで徹底比較

外壁の塗料ってたくさんあってどれを選べばいいか分からない・・・

コスパは?トータルコストは?選ぶ基準を教えてほしい

業者の提案を信用してしまって大丈夫?

「そろそろ外壁塗装を」と考えてはいるけど、そもそも塗料の種類が多くてよく分からなかったり、我が家に合う塗料はどれなんだろうと不安になりませんか?
業者にお任せする前に、まずは塗料について基本的な知識を知っておきませんか?
そのうえで業者と相談する事で、より適正な工事を受けられ結果的に満足へと繋がります。

今回は塗料の種類と特徴について解説します。
この記事を読めば、塗装の専門知識が無くても基本的な塗料の見分け方が分かるようになります。


塗装業者はプロだからお任せすれば大丈夫だろうと思うかもしれませんがちょっと待って!
業者だからといって必ずしも専門知識を持っているとは限りません。

外壁塗装を扱う業者にも様々なタイプがあり、その全てが塗装という専門分野に詳しいわけではありません。

詳しくはこちらで解説しています
正しい塗装業者の選び方

最低限知っておきたい基礎知識を身につけたうえで、業者との打ち合わせにのぞむことができれば
より理想の外装リフォームが実現できるでしょう。

外壁塗装 足場とメッシュシート

塗料の種類

グレードの高い順に、無機塗料・フッ素塗料・ラジカル塗料・シリコン塗料・ウレタン塗料・アクリル塗料と主に6種類が使用されています。
ひとつずつご紹介します。

無機塗料

 耐用年数が20年以上と群を抜いて耐久性に優れているという特徴を持つのが無機塗料です。炭素を含まない無機物質を主成分としているため劣化しにくく高いグレードを誇ります。
メリット:長く建物の美観を維持できる
デメリット:有機塗料に比べ硬く、ひび割れしやすい

フッ素塗料

 無機塗料と並ぶハイグレードの塗料です。耐用年数が15~20年と長く非常に耐久性に優れているといえます。
雨や紫外線にも強く付着した汚れも雨で流れやすいという特徴からスカイツリーなどの公共施設や高層ビルなどにも使用されています。
メリット:耐久性がある、耐用年数が長い、汚れにくい
デメリット:価格が高い、塗料の耐久性は良いが不随するシーリングなどが先に劣化する

ラジカル塗料

 2015年に開発された比較的新しい塗料です。塗料のベースはシリコン樹脂系・アクリル樹脂系など従来の塗料で、そこに特殊な成分を配合する事でラジカル塗料になります。
一番の特徴としては比較的安価で高性能というコストパフォーマンスに優れている点です。
紫外線や水分などが顔料に接触し起こる劣化因子「ラジカル」を抑える効果があります。
メリット:高いコストパフォーマンス
デメリット:新しい塗料のため実績が少ない

シリコン塗料

 外壁の塗装としては最も主流な塗料です。シリコンを含有しているため汚れがつきにくくまた落ちやすいという性質があります。防カビや防藻にも高い効果があります。
主流及び人気なため、各メーカーから発売されており商品のラインナップが豊富な点も特徴といえます。
メリット:高い人気を誇り実績もあるので安心
デメリット:他の塗料に比べ塗膜が硬いためひび割れが起こりやすい

ウレタン塗料

 密着性や伸縮性に優れているため外壁だけでなく車や家具など汎用性の高い塗料です。
ツヤがあり高級感のある仕上がりになります。また価格も手ごろで柔らかい塗料のためひび割れしにくいという特徴もあります。耐久性が高くないため近年は雨樋などの付帯部を中心に使用される事が多いです。
メリット:価格が手ごろでひび割れしにくい
デメリット:耐用年数が短く7~10年程度

アクリル塗料

 アクリル樹脂を主成分とした塗料です。発色の良さと光沢のある仕上がりが特徴です。
圧倒的な価格の安さが魅力ですが耐久性は低く、現在の住宅塗装にはあまり用いられていません。ただ、使用箇所や使用目的によってはアクリル塗料が適している場合もあります。
メリット:一般的に住宅塗装に使用される塗料のうち最も安価
デメリット:紫外線に弱く劣化が早い為頻繁な塗り替えが必要

最適な塗料を選ぶ基準

外壁によって選ぶ塗料に違いはあるの?

 外壁の素材によって適した塗料は異なります。
たとえば、モルタル壁やコンクリート壁はひび割れしやすいため、弾性塗料(伸縮性がある塗料)が有効です。
一方、サイディングボード(窯業系)には、通気性や防水性に配慮した塗料が向いています。
金属系サイディングの場合は、サビの発生を防ぐために防錆性のある塗料を選ぶことが重要です。

 また、既存の塗膜との相性もポイント。前回使用した塗料の種類や状態によっては、密着しにくい塗料を避ける必要があるため、塗り替え前の調査が不可欠です。外壁の素材や状態を正しく見極めて塗料を選ぶことで、仕上がりの美しさと耐久性が格段に変わってきます。

コストパフォーマンスで決める

 単に価格だけでなくコストパフォーマンスで決めるのがおすすめです。たとえば、コストだけで見るとアクリル塗料がもっとも安価ですが、耐久性に欠けるため、メンテナンスの頻度が高くなってしまいトータルコストとしては高くなります。

また、反対に高価格帯の塗料が必ずしも優れているとは限りません。塗料選びに迷ったら、中価格帯の「シリコン塗料」や「フッ素塗料」を選ぶのもひとつの方法です。

価格だけでなく耐用年数を加味して、長期的な視点でコスパがいい塗料をご検討ください。

地域性や重視したい機能を絞り込む

積雪地域では塗膜が凍結・融解による劣化を受けやすく、柔軟性と耐久性を兼ね備えた塗料が適しています。
雨が多い地域では、防水性や防カビ・防藻性の高い塗料を選ぶことで、外壁の劣化を防ぐことができます。

また、機能性を重視するなら、遮熱・断熱効果のある塗料を選べば、夏は涼しく冬は暖かくなり、光熱費の削減にもつながります。そのほかにも、セルフクリーニング機能付き塗料なら雨で汚れが落ちやすく、美観を長く保てます。住まいの環境や目的に応じた機能性を見極めることが、賢い塗料選びのポイントです。

まとめ

このように塗料にはたくさんの種類があり、それぞれに性質が異なります。
一口に住宅塗装といってもその目的や仕上がりイメージによって使用する塗料を区別しなければなりません。
実際には見積もり金額を安く済ませるために、目的に適さない塗料を提案してくるという悪徳業者も存在します。
大切な事はまずしっかりと劣化診断を受け、現状を把握しましょう。
そこからプロの目で自分の家に適した塗料を提案してもらう、そしてなぜその塗料が適正かを説明してもらいましょう。

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