
住宅を守るうえで、見逃せないのが「雨漏り」。
放置しておくと建物の内部まで浸水し、カビや腐食の原因となり、修繕費も高額になります。
今回は、雨漏りの原因としやすい場所、応急処置の方法、そして外壁塗装・屋根塗装による予防策についてご紹介します。
外壁や屋根の劣化サイン、見逃してない?雨漏り対策ガイド
- 1. 外壁や屋根の劣化サイン、見逃してない?雨漏り対策ガイド
- 1.1. 雨漏りが起こる主な原因とは?
- 1.1.1. 経年劣化
- 1.1.2. 台風や地震などの自然災害
- 1.2. 雨漏りしやすい場所は?
- 1.2.1. 屋根の谷部分(水が集中しやすい)
- 1.2.2. 外壁と屋根の接合部
- 1.2.3. ベランダやバルコニーの防水層
- 1.2.4. 窓枠まわりや換気口周辺
- 1.2.5. 外壁の繋ぎ目であるコーキングの傷み部分
- 1.2.6. 外壁のひび割れ
- 1.3. 雨漏りを発見したら?応急処置できる?
- 1.4. 塗装で雨漏りは治せる?
- 1.4.1. 外壁のクラック(ひび割れ)の補修
- 1.4.2. コーキングの打ち直し(シーリング工事)
- 1.4.3. 屋根には再塗装や遮熱塗料の使用
- 1.4.4. 防水塗料による保護膜の形成
- 1.5. まとめ
雨漏りが起こる主な原因とは?
経年劣化
雨漏りの原因はさまざまですが、特に多いのは「経年劣化」による防水機能の低下です。
外壁材として主流の窯業系サイディングや、モルタル・ALCなどは水に弱く、経年とともに防水性が下がります。
そのため、雨や湿気によって外壁が劣化してしまい、ひび割れや変形が生じます。
すると、雨水が壁内部にある防水シートやその先の断熱材・内装材にまで届き、最終的に雨漏りとして認識されるようになるのです。
また、外壁からの雨漏りがひどくなると柱の腐食、カビの発生など、住宅の寿命に影響を及ぼします。
屋根材や外壁の繋ぎ目に使用されているコーキング(シーリング)剤は、紫外線や風雨の影響で徐々に劣化し、ひび割れや隙間ができてしまいます。
台風や地震などの自然災害
自然災害も、外壁の雨漏りを引き起こす原因になってしまいます。
台風によって何か大きなものが外壁にぶつかり、クラック(ひび割れ)が生じることもあるでしょう。
また、地震によって外壁に亀裂が入ったり、外壁材と外壁材の継ぎ目である目地(めじ)がひび割れたりすることもあります。こうした外壁の隙間から水が壁内部に浸入し、雨漏りにつながってしまうのです。

雨漏りしやすい場所は?
屋根の谷部分(水が集中しやすい)
屋根の形状によっては、雨水が一カ所に集中して流れやすい「谷」と呼ばれる部分ができます。
ここは排水がうまくいかないと、水がたまりやすくなり、劣化や漏水のリスクが高くなります。

外壁と屋根の接合部
異なる素材や構造が交わる部分は、わずかな隙間が生じやすく、雨水の侵入経路となりがちです。
コーキングの劣化やズレにも注意が必要です。

ベランダやバルコニーの防水層
床面の防水処理が不十分だったり、経年劣化で防水シートや塗膜が傷んでくると、雨水が下階へ浸入して雨漏りの原因になります。

窓枠まわりや換気口周辺
サッシと外壁の隙間や、換気ダクトまわりのコーキングが劣化すると、そこから水が入り込むケースがあります。
また強風や落雪などの衝撃で換気扇のフードが揺れると、接合部のコーキング材が剥がれ隙間ができます。特に風を伴う雨では水が侵入しやすくなります。

外壁の繋ぎ目であるコーキングの傷み部分
コーキング材は、外壁の気密性や防水性を高めてくれる重要な素材です。シーリング材の耐用年数は5~10年といわれており、劣化が雨漏りに直結することもあるのです。
コーキング材が経年劣化でひび割れや硬化を起こしそこから雨水が侵入してしまいます。

外壁のひび割れ
外壁材そのものに隙間ができて、雨漏りにつながるケースもあります。経年劣化による反りや変形、ひび割れ、釘が抜けたあとの穴など様々な原因から壁内部に雨水が浸入しかねません。

雨漏りを発見したら?応急処置できる?
まずは自分でできる応急処置で雨漏りが広がらないように対処を。
その後専門業者へ点検や修繕をご相談ください。
水が落ちてくる場所にはバケツや雑巾を置く
屋根裏に入れる場合は、漏れている箇所をビニールシートなどで覆う
外壁のひび割れには市販の防水テープやコーキング材を使う
塗装で雨漏りは治せる?
外壁塗装や屋根塗装というと「見た目をきれいにするため」と思われがちですが、実はそれだけではありません。塗装には、建物の防水機能を維持・回復する重要な役割があり、雨漏りの予防や劣化の修繕にも大きな効果を発揮します。
外壁のクラック(ひび割れ)の補修
外壁にできた細かいひび割れは、放置するとそこから水が侵入してしまいます。塗装前にひび割れをしっかり補修し、塗料でコーティングすることで、雨水の侵入を防ぎます。

コーキングの打ち直し(シーリング工事)
サイディング壁や窓まわりに使われているコーキング材は、年数が経つと硬化・ひび割れを起こします。塗装工事の際にこのコーキングを打ち替えることで、隙間からの浸水リスクを大幅に減らせます。

屋根には再塗装や遮熱塗料の使用
屋根は常に直射日光や雨風にさらされており、劣化のスピードが早い部分です。塗装によって屋根材を保護し、さらに遮熱・断熱効果のある塗料を使えば、室内温度の上昇も抑えられ、省エネ効果も期待できます。

防水塗料による保護膜の形成
防水性能に特化した塗料を使うことで、建物全体を「水をはじくバリア」で包み込むような状態に仕上げられます。特にバルコニーや屋上など、雨が直接たまる場所には防水塗装が効果的です。

まとめ
雨漏りは、初期対応を誤ると住宅の寿命を縮める大きなリスクになります。早期発見と応急処置、そして何よりも大切なのは「予防」です。外壁塗装・屋根塗装は、ただのリフォームではなく、家を守る“保険”のようなもの。少しでも異変を感じたら、専門業者に相談し、定期的なメンテナンスで大切な住まいを守りましょう。